殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 どうやらウィルモットの言葉に傷ついたと思ったようだ。

(確かに……婚約破棄とか言われたのはショックだったけど)

 初めの方は、今まで皇妃になるために死にもの狂いで勉強してきたのに婚約破棄とか犯人扱いされてショックも大きかった。
 しかし後半になった頃にはカトリーヌに死の真相があったし、なにより代わりにレンデルが怒ってくれた。
 彼がウィルモットを殴った時は、驚いたがスッキリしている自分もいた。それに、そうなることは何となく分かっていたのかもしれない。

(私……本当にウィルモット様のことが好きだったのかしら?)

 政略結婚なんだから、そういうものだと思っていたし、皇妃になれば環境も変わると思っていた。彼の心も……。
 しかし、それは本当にウィルフレッド自身を愛しているのかいうと、疑問だけが残った。チラッとレンデルを見る。

(レンデル様が……私を庇ってくれた)

 あまり接点のない人なのに、自分を庇ってくれたことが、セレスティンは嬉しかった。胸がギュッと締め付けられる気持ちになるのを感じる。

「今回のことで、君が言っていた通りに、聖女の首は人の手で殺されたことがハッキリと分かった。これは絞殺だ。つまり君が皇帝の寝室に来る前には聖女は殺されたことになる。そして君を犯人にするために呼びつけて、偽装した」

 レンデル様が、そう言って話しかけてきた。

「誰が、そんなことを?」

「分からない。だが、聖女だけではなく、君にも恨みがある可能性もある。その辺も視野に入れて調べた方が良さそうだ。君はどうする? 辛いなら俺だけで調べるが?」

 レンデルはセレスティンの精神面を気にかけて、無理なら一人で捜査すると言ってくれた。
 精神的にボロボロになっているセレスティンだったが、このまま放置することは出来ないと自分自身でも分かっている。それに、まだ言っていないこともある。