殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

レンデルは冷静に答えるが、それでもウィルモットは引き下がらない。

「それなら何故、こんなガキを連れてくるんだ? 聖女の葬式だぞ? そうでもなくても、皆が悲しんでいるのに」

「……だったら、なおさらだろ? この子は俺の母の友人の子だ。聖女が亡くなったと聞いて、会いたいと泣くから連れてきただけだ」

 レンデルのフォローにハッとしたセレスティンは、慌てて泣く真似をする。このままでは怪しまれてしまうからだ。

「ご、ごめんなさい。だって……せいじょさまにあいたかったんだもん」

 必死にしくしくと、本当に泣いているかのように鼻をすすったり、目を手で隠したりする。すると掴んでいた手をレンデル目がけて投げてきた。
 レンデルは、そのままキャッチしてくれたが。子供を投げ飛ばすとか信じられないとセレスティンは恐怖を覚えた。

「だったら、大人しくしているように見張っとけ。まったく、どいつもこいつも俺に逆らってばかりだな」

 ウィルモットは、ブツブツと文句を言ってくるので、何かを探ろうとセレスティンの方から口を開いた。なるべく幼女っぽい言葉づかいで。

「ど、どうして、せいじょさまが……しんじゃったの? ママがわるいひとに、ころされたといっていたけど……ほんとう?」

 なるべく何も知らないように。
 少しでも情報になるヒントが見つかればと思って。
 するとウィルモットの顔色が変わる。荒々しい言葉づかいと態度で、

「ああ、そうだ。セレスティンという大悪女にな!? あの女は、俺と聖女の仲を嫉妬して殺したんだ。あの女さえ、いなかったら上手く行ったのに。あの女は、生意気で、可愛げがなくて、本当に鬱陶しいだけの」

 と、次々とセレスティンの悪口を言いふらしてきた。まるで憎んでいるかのように。
 しかし最後まで言い終わる前に、レンデルはウィルモットの頬を殴りつけた。