殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 ウィルモットのかけ声に、特に民たちは賛成の声や拍手があがる。
 それを望むようにトリスタンが絶賛されていて、セレスティンはひどくショックを受ける。まるで自分が本当の悪役令嬢……いや、殺人者にされてしまうなんて。
 しかも婚約破棄まで。あまりに衝撃が大き過ぎて足元がふらつく。
 後ろに倒れそうになるセレスティンを支えてくれたのはレンデルだった。

「大丈夫か?」

「レンデル……さま」

「まだ倒れるのは後だ。アイツらが、バラバラと喋っている間に聖女のところに行くぞ。今なら調べやすい」

 レンデルは、今のうちにカトリーヌの遺体が眠っている棺に会いに行くぞと誘ってくる。確かに今のうちなら。
 セレスティンは気を引き締めて、カトリーヌが眠っている棺に向かった。
 遺体は、神殿の中にあった。祭壇近くに置いてある棺を開けると、カトリーヌが綺麗な姿で眠っていた。白いドレスを来て百合の花がたくさん敷き詰められていた。
 まるで今にも目を開けそうだ。

「……カトリーヌ」

 だが悲しんでいる間もなく、あることに気づく。やはりカトリーヌに首には、絞められた跡がくっきりと残っていた。
 青紫に変化してしまったところは細いヒモ状のものはなく、人の手だろう。

「レンデル様……やはり」

 だがレンデルに報告しようとした瞬間、誰かがセレスティンを背中から掴んで引き剝がされる。やったのはウィルモットだった。

「貴様ら、何をしているんだ!?」

 見られたらまずいと思ったのか、慌てて怒鳴りつけてきた。

「何って……聖女にお別れの挨拶に来ただけだが?」