殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 カトリーヌとの仲や、このような事態になったことまで詳しく話した。
 しかし話につれて、ある疑問に気づく。

(やはりおかしいわ。あの時に呼びにきたのはアンナなのに、なぜ彼女は黙秘しているの?)

 一緒に来たはずのアンナの姿はどこにもなかった。本当なら同じ現場を目撃しているか、何か情報を掴んでいるはずだ。

(それに皇帝の呼び出しと言っていたのに、私があれだけ騒いでも起きてこなかった。意識があったのなら気づくはず……だとしたら彼女がカトリーヌを?)

 うーんと考え込んでいると、それに気づいたレンデルは、

「どうした? 何か悩みことか?」

 と、心配そうに聞いてくれた。セレスティンはハッとして首を横に振るう。
 まだ確証が持てない以上は、下手に話さない方がいいかもしれない。向こうに気づかれたらシャノンの身も危険にあわせてしまう。
 するとシャノンは何かを思いついたようにニコッと笑った。

「そうだわ。このままだとまずいから。偽の身分を作りましょう。私の友人の子で、しばらく預かっていることにして。名前は……そうね。『キャサリン』がいいかしら?」

 身を隠す間の仮の名前をつけてくれた。
 確かに『セレスティン』という名前のままだと怪しまれる。子供になったとしても、身分がハッキリしていないと不自然に思われてしまう。
 特に皇宮の人たちには少しでも疑われないようにしないと。

「とりあえず君は、ここの生活になれるまで俺も泊まり込んでサポートしよう。あと犯人探し。疑わしい人物を見つけて、動機や、その日の行動を調べる」

「は、はい」

 まさかレンデルが泊まり込みでサポートしてくれるとは思わなかった。
 少し何を考えているのか分からなくて戸惑っていたが、本当は優しい人なのでは? と思ってしまう自分がいた。