殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 ウィルモットも母親似のサラサラの金髪と美形な顔立ちをしているのだが、彼と並ぶと劣ってしまう。だからこそ余計に気に食わないのだろう。
 そんな男と自分を比べられ、祝わられるのを、ただ指をくわえて見ていることしか出来ないのだから。今でもムスッと拗ねた状態で座っている。

「何なんだ? あれは……皇太子は俺だぞ? なのに、どうして俺よりも第2皇子であるアイツがチヤホヤされているんだ?」

「そ、それは、無事に生還なさったからですわ。戦争も勝利なされたみたいですし」

 ブツブツと文句を言ってくるウィルモットを宥めるために必死にフォローするセレスティン。だが、彼の機嫌はそれだけでは直らなかった。

「はっ? 戦争ぐらい勝利して当然だろーが。そのために騎士団には多くの予算を出しているんだぞ? それで負けたら金の無駄じゃねーか」

「ちょっと……ウィルモット様!? そんな大声で言ったらダメですわ」

 平気で公の場で、騎士達を侮辱するウィルモットに、隣で聞いていたセレスティンは大慌てで止める。
 彼の身勝手な発言にいつもヒヤヒヤさせられる。皇太子なので直接批判されることはないが騎士たちにジロッと白い目で見られているのは肌で感じていた。
 婚約者として止めないと……そう思うのだが、それが返って気に入らない様子。

「お前は、俺に意見するのか!?」

「いえ……そんな滅相もないですわ」

「だったら俺に逆らわずに同意すればいいだろーが。あ~どいつもこいつも使えねぇ~馬鹿ばかりだぜ。少しぐらい俺に気を使うべきだろう。なぁ?」
「は、はい……おっしゃる通りです」

 ウィルモットの圧力に圧倒されて、これ以上何も言えなくなってしまう。
 逆らうと後が怖い。ギャーギャーと騒いで余計に荒れるし、不機嫌になっていく。
 セレスティンでは、どうすることも出来ない。