殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 レンデル自身は騎士になってからは寮に住んでいるらしいが。

「ああ、母なら事情を話せば、かくまってくれるはずだ。それに山奥にある離宮なら警備も手薄だから隠れやすい」

 そう言ったレンデルだが、確かに隠れるなら山奥にある離宮の方がまだ安全だろう。
 レンデルの母親のシャノンは男爵家の令嬢だったが、美しさに惹かれた皇帝が強引に側室に迎えた。そのせいで皇后が激怒。
 身分が低いせいもあって息子が産まれてからも、その関係は余計に悪化。
 因縁の関係は未だに続いている。

 そうこう言っているうちに、森の奥に入って行くと、屋敷が見えてきた。古い屋敷だが、それなりの大きさはあるようだ。
 馬車から降ろしてもらうと、屋敷の中に入っていく。出迎えてくれたメイドや執事長は、この状態に驚いていたが、すぐにシャノンがいる部屋に案内してくれた。
 ベッドの上で本を読んでいたシャノンは驚いた表情をしていた。息子のレンデルが実家に帰省するのは久しぶりらしい。
 レンデルは人払いをすると、セレスティンの状況を説明してくれた。

「まぁ、そんなことが……大変だったわね。いいわよ。落ち着くまで、ここにいるといいわ」

「本当ですか!? ありがとうございます」

「ここは、よほどのことや手紙がない限りは、皇宮の人が訪れることがないから安心するといいわ。来るとしてもレンデルの所属の騎士や良く知る商売人ぐらいだし」

 シャノンは優しい口調でそう言ってくれた。
 黒髪を横にたらした状態で結んでいて、顔立ちが整っている綺麗な女性だ。雰囲気からしてレンデルは、母親似なのだろう。

「あ、ありがとうございます」

 セレスティンは、優しい言葉をかけてくれたシャノンに対して、申し訳なさと嬉しさで涙が溢れてきた。そして自分があったことを説明する。