殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「レンデル様。どうして?」

 まさか第2皇子である彼が助けに来てくれるとは夢にも思わなかった。
 レンデルは倒れている看守から鍵を奪うと、牢の扉を開け、手を差し出してくれた。

「君は、こんなことをする女性ではないはずだ。助けてやるから、一緒にここから出よう」

 レンデルはセレスティンの無実を信じてくれた。それは思いがけないことで、セレスティンは動揺を隠せない。
 戸惑いながらも、その手を受け取り、牢の外に出るとレンデルは透明の小瓶を取り出した。

「これを飲むといい。魔塔に作ってもらった体を小さくする薬だ。これを飲めば、一時的でも正体を隠すことが出来るはずだ」

 手に渡されたのは、体を小さくする魔法の薬だった。

(こんなものを私のために? 本当に体が小さくなれるのかしら?)

 彼がわざわざ用意してくれたのも不思議なのに、それ以上に奇妙な薬に、飲むのを躊躇う。大丈夫なのだろうか?

「早く飲め。ここは俺の部下たちが見張りをしてくれているが、代わりの看守が来たら騒ぎになる。その前に逃げるぞ」

「は、はい」

 不安ではあったが、一刻の猶予も許されない状況。迷っている暇はない。
 セレスティンは一か八か、その薬を飲んだ。一気に飲み干すと、体が熱くなっていくのを感じた。
 頬が火照り、体から異変が。見る見るうちに縮んでいき、ドレスがぶかぶかになっていく。子供の姿になってしまった。

「えぇっ……私の体が!?」

 魔塔に在籍している魔導士たちは、かなり優秀とは知っていたが、変な薬を作っては魔法のように操ると噂が絶えなかった。だからセレスティン自身も初めての経験。