殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「そんな……」

 まだ、弁解もなにもしていないのに。急に決まった死刑判決に啞然とする。
 セレスティンは檻の鉄格子に掴まり、必死に訴えようとする。このままでは、本当に無実の罪で殺されかねない。

「皇后様。ですが……これは」

「ああ、本当に残念だわ。でも……聖女が亡くなった以上は、仕方がないことよね」

「えっ……?」

「明日は、その足で死刑台に上がってちょうだい。いい? どうせ逃れられないのだから、余計なことは言わないこと。そうすれば、あなたの家族だけでも助けてあげるわ」

「ま、待ってください!?」

 セレスティンの表情は青白くなっていく。助けてくれるどころか、余計なことを言うなと言われてしまった。しかも家族を人質にされて。
 皇后はボソッと何かを呟くと、そのまま帰ってしまう。取り残されたセレスティンは、ただ頭が真っ白になり絶望していた。

(このまま私は死刑台に上がって、皆が見ている前で首を吊らないといけないの?)

 カトリーヌを殺してはいない。それどころか、いつも優しくて、悪女と呼ばれていたセレスティンにとっては、初めて出来た親友だった。
 もっと仲良くなりたかった。
 お茶を飲みながら、たくさんお喋りをして、笑い合いたかった。
 そう思ったセレスティンの目尻には涙が溢れてくる。どうしようもなく悔しくて、切ない。
 遅くの時間まで泣き崩れていると、また誰かが入ってくる気配が。すると近くにいた看守の人は悲鳴を上げて倒れ込んだ。
 セレスティンは恐怖で顔を上げると、その人影はレンデルだった。

「……助けに来た」