殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 ガチャッガチャッとドアをこじ開けようとする騎士たち。でも、丈夫にドアになっているため、そう簡単には開かない。
 するとウィルモットの声が聞こえてきた。

「お前ら一体何をしているんだ!? それにあの声は何だ? 悲鳴のようだったが」

「それが……鍵がかかっていまして、悲鳴もこの中から聞こえてきました」

「何だと? お父様の部屋に……とにかく、鍵を持って来い」

「は、はい。鍵は宰相である父がマスターキーとして持っているはずです」

 トリスタンの声も聞こえる。慌てて予備のマスターキーを取りに行く。
 鍵は、部屋の持ち主か宰相しか持っていないはずだ。
 しかし、このままでは自分が犯人にされてしまう。
 セレスティンは動揺を隠せないながらも、必死にキョロキョロと辺りを見回す。騒ぎになっても目を覚まさない皇帝。窓もしっかりと閉まっていた。
 これでは完全の密室だ。
 そうこう言っているうちに、鍵を開けられる。そしてウィルモットが中心になって中に入ってきた。
 目の前には血まみれで倒れた聖女のカトリーヌと、血が付いたナイフが落ちた密室現場。そして手に血をつけたセレスティンが。

「か、カトリーヌ!?」

 ウィルモットは大声を上げながら、カトリーヌの傍まで駆け寄り、急いで抱きかかえた。冷たく遺体となってしまったカトリーヌ。

「お前が聖女を殺したんだ!? セレスティン」

 ウィルモットは涙を流しながら怒鳴り散らした。そしてセレスティンが犯人だと決めつけてきた。

(そんな!? 違う……私じゃないのに)

 セレスティンは慌てて否定しようとする。このままでは殺人事件の犯人にされてしまう。