殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 しかし、目に飛び込んできたのはベッドの上で眠っている皇帝と、その下で倒れているカトリーヌの姿だった。

「か、カトリーヌ!?」

 セレスティンは慌ててカトリーヌの傍まで駆け寄っていく。どうして彼女が倒れているのだろうか?
 傍まで行くと、起こそうとする。しかし、あたたかいはずの彼女の体は冷たくなっていた。息もしていない。よく見ると、カトリーヌの首には絞められた跡が。

「えっ? カトリーヌ?」

 セレスティンは動揺する。頭の中が一瞬真っ白になって、どういう状況になっているのか判断が出来なかった。

(ま、まさか……そんな)

 だが、その時だった。背後から何者かに後頭部を目がけて強打される。
 一瞬のことだった。セレスティンは考える間もなく、そのまま倒れてしまった。

 それから何時間が過ぎたのか分からない。
 セレスティンは意識を取り戻すが、頭がくらくらして視界がぼやけてしまう。
 後頭部も痛い。セレスティンは、後頭部を頭に押さえようとすると、持っていた手から何かが離れて転げ落ちた。

「えっ?」

 ぼんやりする視界がハッキリしてくると、それは血でべっとりしているナイフだった。そして驚く光景が目に飛び込んできた。
 目の前に、カトリーヌが倒れていたのだ。しかも、胸元には刃物で刺されたのか、血まみれの状態で。

「キャアアア~ッッ!!」

 セレスティンは、大声で悲鳴を上げる。まさか、こんな状況になるとは。
 悲鳴に駆けつけてきた騎士やメイドたちは、慌てて集まってくるが、寝室には鍵がかかっている状態だった。