殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

(どうしたものか……)と思いながら。

 しかし、さらに大変なことが起きてしまう。皇帝陛下が倒れたと連絡が入ってきて、慌てて眠っている寝室に向かった。
 寝室に入ると、皇后がベッドの傍で泣き崩れていた。他にもカトリーヌとウィルモット。そしてレンデルと宰相など大勢の人が集まっていた。
 処置をした医師からは危篤状態だと言われる。もともと体が弱っていたが、さらに心臓に負担が来ている。このままだと命にかかわると。
 セレスティンは、動揺をしながらも皇帝の寝ているベッドを見る。病人のように青白く、弱々しいほどにぐったりとしていた。

「私は人の寿命まで変えることは出来ませんが、やれるだけのことはやります」

 カトリーヌはそう言うと、皇帝に近づき手をかざした。すると手から金色の輝きが皇帝の体を包み込む。

(これが聖女の力!?)

 聖女の使える治癒能力は凄いと聞いていたが、実際に見るのは初めてだ。
 優しく眩しい光を操るカトリーヌの髪はゆらゆらと揺れていて、まるで女神のように綺麗だと思った。

 その後もカトリーヌは毎日のように決まった時間に治癒能力を使って皇帝を治そうとする。そのお陰が危篤状態からは免れる。
 だが意識が戻ったり、戻らなかったりするので、いつ何が起こってもおかしくない状況だ。
 そのせいもあって大臣や関係者たちは次の皇帝を早く決めるべきだと言い出した。 
 しかし皇太子にも関わらず、ウィルモットが皇位を継ぐことに反対する声も多く、揉めている。レンデルの実績が評価されているせいだろう。

(このままウィルモットが皇帝になっても大丈夫かしら?)

 ウィルモットと皇后は、すぐに決まらない状況にイライラしているのは見て分かる。