殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 しかし、そんな努力もウィルモットは、気に入らなかったようだ。
 勝手に決めた婚約者。控えめのせいか、見た目よりもパッしない態度や格好すら不愉快に映り、婚約者が優秀なのも自分と比較されるからと嫌がっていた。
 ウィルモットは、とにかく勉強や努力が嫌いだ。剣術も大した才能もなく、遊ぶ事に夢中。
 それでも皇后から言われたように、自分がいずれ妻になるのだから、そこも含めて支えればいいと思っていた。そうなるように教えられてきたからだ。

 だが、彼は違った。セレスティンが18歳。ウィルモットが19歳になった頃。
 他の貴族の令嬢達と親しくなることが増えていく。あくまでも親しい友人だと言い続けるが、彼の首筋にキスマークがあることは日曜茶飯。それとなく注意しても、

「うるさい。皇太子の俺が何をやろうが俺の勝手だ。お前に指図される筋合いはない。嫉妬深いぞ」

 結局は怒らせてしまうだけ。その度に皇后・ローザに叱られた。

「あの子が他の女性に行くのは、あなたが、ちゃんと支えてあげられていないからよ。婚約者として、もっと努力をしなさい」

「浮気ごときで騒ぐなんて情けない。ウィルモットは、皇太子なんだからモテるのは当然のこと。あなたは婚約者なんだから、堂々としていればいいのよ」

 我慢するどころか、それより努力を要求される。
 皇太子を支えることが、あなたのためになると言われると何も言えなくなってしまう。両親に言ったところで同じことを言われるのは目に見えて分かっている。
 自分さえ我慢すれば……何事も上手くいく。

(私が将来の皇妃としてウィルモット様を支えないと)

 今はそれが、自分のためになる事だと、信じる事しか出来なかった。

 しかし、そんな事も言っていられなくなった。あれから数日後。