殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 何かの異変に気づいたのか慌て始めるオスカー。だがミリアの決意は固いのか口は閉じない。

「申し上げます。私の夫は、アシュリー様と愛人関係みたいですわ」

 あっさりと2人の関係性について発言をしてしまった。驚いた表情をするエリアスと違い、オスカーの顔色は怒りで真っ赤になっていく。

「はっ? 何を勝手なことを言っているんだ!? そんな噓を吐くな」

 怒鳴りつけるオスカーにミリアはキッと彼を睨みつけた。

「あら、噓ではないでしょ? あの女とデキているから私と夜を共にしてくれないのよ。それに、あなたとあの女が一緒に居るところを見たって言っている人も居るわ。イチャイチャして、本当いやらしい」

 どんどんと凄い発言が飛び交う。そんな事実は無いだろうが、彼女はそれを信じて疑わない。

「そんなのは、でたらめだ! 俺がいつアシュリー令嬢と一緒に居た?」

「ずっと前からそうじゃないのよ。ああ、そんなにあの女を庇いたいのなら陛下から奪い取ったらいいじゃない、お似合いよ。浮気者同士」

 ミリアの言葉にカッとしたオスカーはバンッと彼女の頬を叩いてしまう。
 エリアスとレンデルはあまりの衝撃的なことに啞然としていた。ミリアも一瞬どうして叩かれたのか分からない状態だったが、痛みで顔がさらに赤くなっていく。

「酷い……妻の私を殴るなんて。あんたなんかとは離婚してやるわ」

 目尻に涙をいっぱいに溜めながら部屋から出ていく、セレスティンは慌てて隠れようとするが間に合わず。しかしミリアには気付かなかったようだ。
 思った以上に修羅場になってしまった。
 オスカーは頭を抱えていたが、エリアスはひたすら黙ったまま。まるで何かを考え込んでいるかのように。
 結局、解決するどころか、さらに大きな火種を作ってしまった。セレスティンとレンデルも大変頭を悩ませる。