殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

(いっそう大喧嘩をさせたいと思っているのかしら? これでは揉めるだけで、何の解決にもならないわ)

 セレスティンは深いため息を吐いていると、アシュリーはボソッと
「もう……いっそう修道院でも入ろうかしら」と呟いてきた。

 その言葉にセレスティンは衝撃を受ける。それはありえないと。

「正気を持って、アシュリー様。修道院だなんて」

「……でも、このまま宝石が戻って来なかったら、私はエリアス様と結婚が出来ないままです。それが……しきたりだから。なら、もう諦めた方が」

「何をおっしゃっているの!? 宝石は絶対に戻ってきます。だから最後まで諦めたらダメですよ」

 あまりにも辛すぎて自暴自棄になってしまっているアシュリー。内気な彼女には、耐え難いことだろう。
 婚約破棄をしたいと言う前に、どうにかしないといけない。
 アシュリーにもう一度きちんと調べてみるから思い留まるように説得する。
 その後はレンデルに相談して、彼にオスカーのことで調べるようにと頼んだ。彼もまた謎が多い。
 セレスティンはミリアのことで調べる。腹いせに宝石を盗んだ可能性は捨てきれなかったからだ。

(ミライダ王太后陛下がミリア公爵夫人をそそのかして、宝石を盗ませた可能性もあるわね)

 前もカトリーヌのイトコだったアンナが元皇后とウィルモットがそれぞれに、そそのかして二重スパイをさせていたことがあった。
 犯行は知らなくても、気づかないちに協力をさせらせた可能性も考えておくべきだろう。アンナの場合は、口封じのために殺されてしまったが。
 安全を考えて、セレスティンは子供の姿になって調査をすることに。ミリアの後をこっそりとつける。