殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「うん……そうだよ? お母様がミリア様にそう言っているところを聞いたよ。だから『あの2人を警戒した方がいい』って。でも、僕知っているんだ。オスカーお義兄様の相手は、メリッサ様だって」

 そうなると、また話が変わってしまう。ミライダが言っていることが、度々矛盾しているからだ。
 アシュリーには『エリアスの相手はメリッサ侯爵令嬢が良かった』と嫌味を言ってきたのに、ミリアにはオスカーとアシュリーが恋仲だと疑わせることを話したり。
 でも実際は、まったくの真逆。

「ねぇねぇ、オスカーさまとミリアさまって、なかはいいの?」

 恐る恐るだが、セレスティンは子供らしい感じで聞いてみた。

「ううん。よく喧嘩しているよ。仲悪いの僕知っているし」

「……そうなんだ。おしえてくれてありがとう」

 これは思った以上に、深刻な状況かもしれない。
 だが、これでミリアがアシュリーにキツく当たる原因がハッキリした。彼女は夫との仲を疑っているせいだろう。
 自分の夫と不倫をしておきながら、エリアスと結婚して王妃に即位しようとなれば、たしかに嫌味の1つや2つは言いたくなるだろう。
 宝石を盗んだのもミリアの可能性がグッと高くなってきた。

 その夜。レンデルに、そのことを説明する。
 レンデル自身も独自で調査をしてくれていたようで、たしかにオスカーとミリアは家同士が決めた政略結婚だったようだ。つまりは愛し合っているわけではない。

「政略結婚でも上手くやっているところもあるが、彼らは表向きは上手くやっているように見せた、仮面夫婦みたいだな。特にミリア公爵夫人はプライドも高いから、なるべく表に出さないように気をつけていたらしい」