殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 その後も、レオネルからの視線が続いた。特に王宮を移動している時などに。
 最初は物珍しそうに見ているのかと思ったが、何か言いたいことがあるのか、小さな口をパクパクさせているのをよく目にするようになる。
 今もずっと様子を伺ったように離れた範囲から柱に隠れて見ている。一緒に連れてきた侍女のハンナも苦笑いしていた。

(本当は私たちに言いたいことがあるんだけど、大人だから話しにくいとか? それとも言うのをただ戸惑っているのかしら?)

 前者だとむやみに聞くのは逆に怖がらせてしまうだろう。何か良い方法はないかと考えるセレスティン。
 そうしたら、ある方法を思いつく。

「そうだわ。大人だと言いにくくても子ども同士なら言えるかも」

 セレスティンは薬を使うことを思いついた。以前レンデルが助けるために魔塔から買い取った子供になる薬。これがあれば。
 あれからレオネルは新たな薬の発展や改善を魔塔に要求した。前は内密にやっていたが、王命として出したから、魔塔もかなり驚いたらしい。
 セレスティンは役に立つかと思い、あれから改善した薬の方をこっそりと持ってきていた。どうやら、正解だったようだ。
 セレスティンはハンナに部屋に戻ると言い、その場を後にする。
 ハンナには呼び戻す際に、薬のことを話してあるので理解はしてくれている。

「本当に、またお飲みになるのですか?」

「うん。子供とコミュニケーションを取るためには自分も小さくなった方がいいと思うの。それに前みたいに副作用がないから安心よ」

 セレスティンは、そう言ってゴクゴクと飲み干す。
 改善された薬は副作用はないらしい、その代わりに元に戻すためには、解毒剤を飲まなくてはいけなくなったが。
 すると体中が急に熱くなり、あっという間に子供の姿になってしまった。しかしドレスまでぶかぶかに。