殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 そう考えてしまう自分が虚しいと分かっていながら、ただ離れた場所で、その光景を見ていることしか出来なかった。

 その後も、さらに追い打ちをかけるようにウィルモットはこんなことを言い出した。

「カトリーヌのためにお茶会を開こう」

 お茶会自体は問題ない。令嬢にとって、お茶会は交流の場でもあるからだ。
 しかしウィルモットは、その準備などをセレスティンが仕切るように命じてきた。

「私がやるのですか?」

「当たり前だ。もちろん主催者はカトリーヌだ。お前は、影で準備や招待客を接待だけしていればいい。それ以外は黙って従っていろ」

「ですが……それではあんまりかと」

 彼は、何を言っているのか分かっているのだろうか?
 初めだからサポートしてくれとなら分かる。
 だが彼の言い分だと、セレスティンに雑用を押しつけるだけだ。将来の皇妃になる婚約者が、そのようなことをしていたら、周りからいい笑い者だ。

「はっ? お前には、それぐらいの優しさはないのか!? 相手は聖女だぞ?」

「でしたら、私が聖女様に教える形で……」

「ふざけるな!? 聖女に雑用をやらせる気か?」

 セレスティンの意見に怒鳴り散らしてくるウィルモット。
 何度も説得を試みてみるが、彼にとったら婚約者よりも聖女の方が上らしい。
 日付まで勝手に決められてしまい、周りにもそう伝えるものだから後に引けなくなっていく。
 セレスティンは仕方がなく、お茶会の準備を進めることに。
 当日までに招待客の令嬢たちに招待状を書いて送った。お茶会に必要なアフタヌーンティーを料理長に頼んだり、飾りつけなどを仕切る。
 そのままお茶会の日を迎えることに。本来なら婚約者としてセレスティンも参加していいはずなのに、ウィルモットは、彼女を雑用係のように扱った。