殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 オスカーに関してはミライダを睨んでいたが。
 その様子を見ながらセレスティンは深く考え込む。敵が多いような気がすると。
 どう考えても、エリアスとアシュリーの結婚を祝う雰囲気ではない。そうなると、この中には『王族の家宝』を盗んだ犯人が居てもおかしくはない。
 チラッとレンデルの方を見るとジッとミライダたちを見つめていた。彼もどうやら疑っているのだろう。これは少し探ってみた方がいいかもしれない。

 しばらく悶々とミライダたちに視線を向けていると、アシュリーが人酔いしたから少し外の空気が吸いたいと言って、席を立った。
 フッと見た彼女の表情は随分と疲れていて落ち込んでいるように見えた。この表情には見覚えがある。セレスティンは以前の自分を重ねた。
 元婚約者だったウィルモットの言動に振り回せたり、皇后の嫌味を受けた後は酷く疲れた。悲しさと虚しさが襲ってきて、よく外の空気を吸いに向かったものだ。
 セレスティンは、レンデルに外の空気を吸ってくると言い残して、彼女が向かった方向に行ってみることにした。
 ダンスホールを出ると、外の庭にあるベンチに腰を下ろしていたアシュリー。中の光がほんのりと漏れているので顔は見えやすい。
 やはり相当落ち込んでいて、目尻に涙が溜まっている様子だった。セレスティンは、ソッと彼女の近くまで歩み寄ることにした。

「隣に座ってもよろしいかしら?」

 ハッとしてアシュリーは、思わず立ち上がってしまう。

「あ、すみません、気が付きませんで。席を代わります」

「ああ、いいのよ。私も外の空気を吸いたかっただけだから。それよりも一緒に座りましょう?」

「えっ……あ。はい。あの……失礼します」

 アシュリーは急に話しかけてきたから動揺をしているようだったが、それをセレスティンは一緒に座ろうと引き留めた。