殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 セレスティンが慌てて間に入ろうとした、その時だった。

「ミライダ王太后陛下、第3王子・レオネル殿下の入場です」

 司会者の声に周りは後ろの方を振り向いた。扉が開かれると堂々と入ってきたのは、エリアスとオスカーの義母。ミライダ王太后陛下だった。
 そういえば話で聞いたことある。グリーンフィールド王国ではエリアスとオスカーが幼い頃に実母が不慮の事故で亡くなったと。
 その後ぐらいに二人の父親である国王が再婚した。その相手が現王太后だ。
 不慮の事故は王太后ではないかと噂になったこともあったが、それを押しのけて現在ではかなりの権力を持っている。前国王が病で亡くなった後も。
 ダークブラウンの髪を一つのアップしており、まだ30後半で若い。キツい印象を持っており、ミリアと同様の迫力美人という感じだ。

 隣に居るのは第3王子のレオネル。まだ10歳の子供なのだが、母親譲りのダークブラウンの髪が特徴的。目が大きくて中性的な顔立ちをした美少年だ。

「こんな大切な歓迎会の席に何を騒いでいるのですか? 外まで聞こえてきて、アルバーン帝国の皆様に失礼ですよ」

 どうやら外まで聞こえてしまったらしく、ミライダが注意してきた。
「す、すみません、お義母様」

「いや、こちらは十分楽しんでいるから気にしないでくれ」

 申し訳なさそうに謝罪するエリアスを庇って、レンデルは平気だと告げる。だが、ミライダはエリアスの言葉を無視して、レンデルの方に目を向けた。

「まぁ、アルバーン帝国の皇帝陛下は、お優しいこと。本当に不手際な対応で申し訳ありません。私、皇太后が代わりに謝罪と精一杯のおもてなしをさせていただきますわ」

 ニコッと微笑みながら対応はするが、一切エリアスの方は見なかった。どうやら親子関係は上手くいっていないようだ。血の繋がりはないから無理はないが。
 それにしても、あまりにも露骨過ぎて一切隠す気はないように見える。エリアスは寂しそうな表情をしていたが、どこか諦めている様子だった。