海軍特異対策室

午前9時、庁舎のある霞ヶ関から千葉県館山市まで約2時間、途中休憩を挟みながら着いたのは正午過ぎ。

ちょうどお昼休憩なのか基地内は和やかだ。

「さて、格納校に行こう。多分そこで飯食ってるだろう」

隊舎には目もくれず滑走路のある方へ足を進めた。

「あの…、隊舎に寄らなくてもいいんですか?勝手に入って…」

「あぁ、初めてここに来る時に松木大佐には好きに使っていいと許可が出てるから大丈夫」

普通ならこんなことは許されないのだが、家柄なのか融通が効くのか…。

少し歩くの滑走路、奥に格納庫が見えてきた。少尉はキョロキョロと辺りを見回しては僕らの横を通り過ぎようとする兵を1人捕まえる。

「すまないが尾形二飛曹を知らないか?」

「尾形さんですか?!お待ちください…!」

僕と同じくらいの航空兵が慌てて敬礼をしては格納庫へと走っていった、おそらく少尉の階級を見て慌てたのだろう。

「新兵か?見たことないな」

「恐らくね、新兵はみんな坊主だからわかりやすい」

そうほほ笑みを浮かべてはちらりと僕の方を見る2人、当たり前だ。新兵が長髪なんて何を言われるのやら。

待たされること5分、格納庫の方から一人の男が手を振りながら駆け寄ってくるのが見えた。

「あぁ、来たようだね」

「いやぁ〜すまんすまん、飯食ってたら眠くてつい」

「いや、大丈夫だよ。わざわざすまないね」

「大丈夫さ、高峯も久しぶりだな」

「お久しぶりです」

"尾形二飛曹"は2人とは違った雰囲気を放つパイロット、高峯さんと少尉を足して2で割ったような雰囲気。

「それで、こいつは?」

「昨日付で転属してきた辻村くんだよ」

「辻村光太郎二等整備兵と申します!」