青い月は、春を待つ。


「ちょっと、深田さん!それはないんじゃないですか?!春瀬課長は、今日復帰したばかりですよ?!」

そう言ってくれたのは青倉くんだった。

「だってぇ、終わらなかったんだから仕方ないじゃない?」
「春瀬課長が戻って来るまでは、定時までに終わってたじゃないですか!それが何で急に出来なくなるんですか?!」
「わたしたち、今まで春瀬課長に迷惑かけられてたのよ?せっかく復帰したんだから、たくさん仕事してもらわないと!」

深田さんがそう言い、「さぁ、みんな帰りましょ!」と帰り支度を始めると、杉井課長がやってきて、わたしのデスクに積み上げられた書類を、田んぼ三姉妹のデスクに戻し始めた。

それに驚く、田んぼ三姉妹。

深田さんはそれを見て、「杉井課長?何してるんですか?」と言った。

「まだ仕事が残ってるよ。自分の仕事は自分で終わらせてから帰りなさい。」

杉井課長が厳しい口調でそう言うと、田んぼ三姉妹は戸惑っていた。

「て、定時までに終わらなかったんで、春瀬課長にお願いしたんですけどぉ、、、。」
「終わらなかったんじゃなくて、わざと残したんだろ?3人とも、これが終わるまで帰れないよ。」
「杉井課長、酷いです!」
「復帰初日の春瀬に仕事を残して帰るのは、酷いことじゃないのかい?」

杉井課長にそう言われ、何も言い返せないでいる田んぼ三姉妹。

すると、杉井課長は帰り支度を始め、「春瀬、青倉くん、飲みに行くぞ。春瀬の復帰祝いだ。」と言い、退社しようとする。

青倉くんは「おぉ!いいですねー!春瀬課長、行きましょう!」と言い、わたしのバッグを持ってくれた。

わたしは「うん。」と頷くと、田んぼ三姉妹に向かって、「お先に失礼します。」と言い、良い気分で杉井課長と青倉くんと共に会社をあとにした。