青い月は、春を待つ。


「でもさ、わたしと青倉くん、一回りも年の差あるんだよ?青倉くんからしたら、わたしなんておばさんだよ。」
「恋愛に年の差なんて関係ない。それに、春瀬は実年齢より若く見えるから大丈夫だよ!」
「でもなぁ、、、。」
「青倉くんは年齢で春瀬を好きになったわけじゃない。それを年齢のせいにして断るのは、青倉くんに失礼じゃないか?」

"青倉くんは年齢で春瀬を好きになったわけじゃない。"

杉井課長のその言葉がズシンと胸に響いた。

確かに年齢を気にしてるのは、わたし自身だ。

青倉くんに年齢のことなんて言われたことは一度もない。

「さーて、そろそろ戻るか。適度に休みながら仕事しろよ?」
「うん。」

先に給湯室から出て行った杉井課長。

わたしは、珈琲の最後の一口を飲み干すと、「愛かぁ、、、。」と独り言を溢し、仕事に戻った。


そして、その日の定時。

小まめに休憩を入れたとはいえ、久しぶりの仕事は疲れた。

しかし、充実した1日を送れた気がした。

すると、田んぼ三姉妹がぞろぞろとやってきて、わたしのデスクにやり残した書類を置いた。

「これ、終わらなかったんで、あとよろしくお願いします。」

そう言い、当たり前のように帰ろうとする深田さん。

わたしは開いた口が塞がらなかった。