青い月は、春を待つ。


わたしが"課長"という言葉に身体が拒否反応を起こすようになってしまってから、青倉くんはわたしを"理来さん"と呼ぶようになった。

そして、わたしが仕事のことを思い出し、身体が震え出すと、その度に青倉くんはわたしを包み込み、「泣いてもいいですよ。俺はどんな姿の理来さんも好きです。」と言ってくれた。

青倉くんは決まって毎週土曜日のお昼頃にたくさんの差し入れを買って来てくれるのがお決まりになり、普段人に会いたいとは思わないわたしだが、週1で青倉くんに会えるのは、わたしの楽しみであり、ある意味で青倉くんの存在がわたしの精神安定剤になっていた。

病院の受診は3週に1度。

2回目の受診の時は、初回で処方してもらった安定剤の効果が感じられなかったので、1段階上の精神安定剤を処方してもらうことになった。

それから、過眠から不眠に変わってしまった為、睡眠薬も処方された。

昼間に外に出るのが苦手になり、人の目が気になり、病院のあとはすぐに帰るようにした。

そして、帰宅するとまず処方された安定剤を飲み、カーテンを閉め切った暗い部屋で布団に潜り込み涙を流す。

はたから見ればただ寝ているだけだが、頭の中は忙しい。

自分を責める言葉でいっぱいになり、泣けてきて、また自分を傷付けたくなったり、泣け叫び暴れたくなってしまう。

「ふぅー、、、ふぅー、、、。」

苦しくなってくると、自分で何とか深呼吸をして呼吸を整えようと努力した。

そんな毎日が繰り返され、わたしは孤独な世界に生きている気分だった。