青い月は、春を待つ。


休職に入ってから、初めての土曜日。

わたしはお昼頃になっても布団から出られずにいた。

すると、枕元に置いていたスマホが振動し始めた。

誰だろう。

わたしはスマホを手に取り、画面を見てみると、そこには"青倉くん"と表示されていた。

「はい、、、もしもし。」
「あ、春瀬課長?青倉です。」

数日ぶりに聞く青倉くんの声。

まだ数日しか経っていないのに、もう何ヵ月も聞いていなかったように感じた。

「これから、ご自宅に伺ってもいいですか?差し入れを持って行きたくて。」
「そんな気にしなくていいのに。」
「だって、絶対何も食べてないですよね?大したものじゃないんで、持って行かせてください。」
「、、、ありがとね。」
「いえ。春瀬課長の部屋番号教えてもらっていいですか?」

青倉くんの言葉にわたしは、「502号室。そのあとにパスワード"0911"って打ったらオートロック解錠されるから、入って来て。」と言った。

「え、パスワード?俺なんかに教えていいんですか?」
「青倉くんだから教えたんだよ。」

そのあと、青倉くんは30分後にわたしの自宅にやって来た。