青い月は、春を待つ。


わたしは洗面所に行くと、何気に剃刀を手に取った。

そして、それを左手首に当て、ゆっくりと横に引く。

すると、じんわりと血が滲んできた。

痛い、、、
でも、やめられない。

わたしは、何度も自分を傷付けた。

存在価値のない自分を傷付けてしまいたくなったのだ。

自分が大嫌いだ。

わたしは血だらけになった手首を見て、泣きながらその場にしゃがみ込み、鬱になった自分を恨んだ。

わたしはスマホで"鬱病"と検索してみた。

すると、体験談や病気を支えてきた人たちの書き込みがたくさん出てきた。

鬱は、メンタルが弱い人がなるものだと、正直思っていたけど、そうじゃないんだなぁ。

"鬱は心の風邪"なんて聞いたことがあるけど、そんな風邪なんて甘いものじゃない。

目に見えない病気だからこそ、まだまだ理解がされない病気だけど、こんなにツライものなんだと思った。

鬱病と闘ってる人は、ただの怠け者じゃない。

その中でわたしが一番響いた言葉がある。

それは、"生きてるだけで偉い"だった。

わたしは、その言葉を見た瞬間、わたし生きてていいんだ、と思え、泣き崩れたのだった。