青い月は、春を待つ。


それから始まった地獄の毎日。

あれだけ毎日、忙しく働いてきたのに、何もやることがなくなり、自分の存在価値が分からなくなった。

世の中のみんなは働いているのに、わたしは家で寝ているだけ。

世の中から、社会から、取り残されている気分だった。

仕事が楽しくて、自分を成長させる為にまず主任の試験を受けて、それから課長の試験を受けて、合格を知らされた時は凄く嬉しかった。

周りから「女のくせに課長か?」「女に課長職が務まるのか?」などと馬鹿にされ、いつもタラタラとテキトーに仕事して、お喋りばかりして、部下がミスしたら怒鳴り散らして、自分のミスは無かったことにするような、あんな課長と一緒にされたくなくて、わたしは人一倍努力してきたつもりだった。

それが、今のわたしは何?

半分開くカーテンの隙間から見える外の世界を見て、わたしは別世界にでも来てしまったような気分になっていた。

わたしの努力って無駄だったのかなぁ。

必死に働いてきた、あの日々は何だったのかなぁ。

半年後に会社に戻れたとして、課長職のままでいられるのかなぁ。

わたしは毎日そんなことを繰り返し考えては、泣いてばかりいた。

毎日部屋着で化粧もしない。

自分がだんだん女じゃなくなっていくような気持ちにもなり、毎日化粧をしてスーツを着て、テキパキ働いてきた自分が夢のように感じた。