青い月は、春を待つ。


次の日、わたしは憂鬱な気持ちのまま診断書を持って、会社に出社した。

普段はコンタクトをつけているが、泣き腫らした目にコンタクトは入らず、いつもより遅めの時間に眼鏡で社内に入ると、ほとんどの社員が来ていて、一斉にわたしに視線が集まった。

みんな既にわたしが休職することを知っているかのように冷たい視線でわたしを見る。

唯一、青倉くんが「おはようございます。」と挨拶をしてくれたのと、杉井課長が「大丈夫か?」と声を掛けてくれたくらいだ。

わたしは総務の人に休職届をもらい記入すると、部長のところへ向かい、病院から出された診断書と共に提出した。

部長は厳しい表情で書類を受け取り、診断書と休職届を見ると、「半年も休むのか。」と言った。

「はい、申し訳ありません。ご迷惑おかけしますが、よろしくお願い致します。」

わたしがそう言うと、部長は「本当に迷惑な話だな。女は、すぐ体調を理由に休むからな。だから女に課長職は無理だって、最初から思ってたんだ。」と言った。

部長の嫌みに身体が震え、気を抜けば今にも涙が溢れ出しそうだった。

悔しい、、、

"女だから"と言われないように頑張ってきたはずなのに、、、なんでこうなったの?

「まぁ、書類は受け取ったから帰りなさい。」
「はい、、、本当に申し訳ありません。失礼します。」

わたしは部長に深く一礼すると、自分の班の方へ向かった。