「まずは弱めの安定剤を出しておくから飲んでみてください。」
「わたし、、、半年も休職しなきゃいけないんですか?」
わたしがそう訊くと、野田先生はハッキリと「はい、半年は自宅療養してください。何なら、鬱で半年は短いくらいですよ。」と言った。
わたしの頭の中は、「どうしよう」でいっぱいだった。
「今日はどうされますか?1泊入院してから帰りますか?それか、待合室に待っている人が居ますが、帰宅されますか?」
野田先生の言葉に「待っている人?」と思いながら、わたしは「帰ります。」と答えた。
「では、一度待合室でお待ちになっててください。」
「はい、ありがとうございました。」
わたしはそう言うと、まだふらつく足取りで待合室へ向かった。
すると、もう夜も遅く誰も居ない待合室に1人ポツンと座っている青倉くんの姿があった。
青倉くんは、わたしの姿に気付くと「春瀬課長!」と駆け寄って来てくれた。
「大丈夫ですか?!」
「ごめんね、迷惑かけちゃって。」
「いえ、そんな迷惑だなんて思ってないですよ!」
わたしの歩く速度に合わせてくれながら、ゆっくりとわたしの隣を歩く青倉くん。
そして、待合室の長椅子に腰を掛けると、わたしは「わたし、明日から休職だって、、、。」と青倉くんに打ち明けた。
「えっ?過労でですか?」
「それもあるけど、わたし、、、鬱なんだって。信じられないよね。自分が鬱になるだなんて、、、思いもしなかったなぁ。」
わたしはそう言い、自分に対して鼻で笑った。
情けない、、、
自分が情けない、、、



