休憩時間も終わり、涙を拭いて自分のデスクに戻ると、まず声を掛けてきてくれたのは青倉くんだった。
「春瀬課長、、、大丈夫ですか?」
青倉くんの心配な表情に泣き腫らした顔がバレてしまったことに気付く。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。」
わたしはそう言って、青倉くんに笑って見せた。
すると、端の方では「青倉くんに心配されてデレデレしちゃって。」「心配されたくてわざと元気ないフリしてるんじゃないですか?」と深田さんと村田さんが話しているのが聞こえてきた。
その会話にイラッとした表情を見せる青倉くん。
青倉くんが深田さんたちに何か言いに行きそうな勢いだったので、わたしは「青倉くん!」と呼び止め、首を横に振って見せた。
青倉くんは悔しそうな表情をしたが頷き、午後の仕事を始めたのだった。
その日の定時になると、「18時だー!帰ろ帰ろ!」と言いながら、当たり前のようにやり残した書類をわたしのデスクに積んで帰って行く田んぼ三姉妹。
わたしはいつものようにやり残され、自分のデスクに積まれた書類をぼんやり眺めながら、わたしは毎日毎日当たり前のように残業ばかりして、何のために頑張ってるんだろうなぁ、と思った。
すると、積まれた書類の半分手に取る人物がやって来た。
ふと見上げると、それは青倉くんだった。
「俺も手伝います!」
青倉くんはそう言うと、自分のデスクに書類を持って行き、一緒に残業をしてくれた。



