青い月は、春を待つ。


それからというもの、わたしは朝起きるのが苦手になった。

いつもなら、疲れが残ったままで怠いとはいえ、何とか起きれていたのに、身体が重くなかなか起きられず、布団を出るまでに時間がかかってしまうようになった。

そして、仕事に行く支度をしていると吐き気に襲われるようになり、動悸がして息苦しくなる。

頭痛も相変わらずで、ロキソニンを飲んでも少し和らぐくらいでモヤモヤが取れない。

わたしの身体はどうしてしまったのか。

そんな日々が続き、土日は朝から晩まで寝込むようになり、水分だけで固形物を何も口にしない事も増えてきた。


そんなある日、朝出社すると既に出社していた青倉くんが「おはようございます。」と声を掛けに来てくれた。

「おはよう。」
「あのぉ、春瀬課長、、、大丈夫ですか?」
「えっ?」
「顔色悪いですよ?それに、、、最近痩せましたよね?」

青倉くんに言われ、痩せた?と自分の中で考えてみる。

そういえば、最近スーツが緩くなってきた気がする。

「顔色悪いのは、ファンデの塗り過ぎかなぁ?」

何て誤魔化して笑ってみたが、青倉くんの心配そうな表情は変わらなかった。

「心配してくれてありがとね。わたしは大丈夫。」

わたしがそう言うと、青倉くんは切なげに微笑み「分かりました。」と言うと、自分のデスクへ戻って行った。