Devilの教え

 だからいつ帰りたくなってもいいようにひとりで出掛けた。


 でもまさか繁華街のある駅で電車を降りてすぐ、帰りたくなるとは思わなかった。


 ホームにいる人の多さに即嫌気が差した。


 何でこんなに人がいるんだろう!って理不尽な怒りを抱くほど、嫌気が差した。


 それでも折角ここまで来たんだから、多少は徘徊した方がいいかななんて、思ってしまったのが「運の尽き」。


 そもそもあたしには「運」ってものがない。


 不運な星の下《もと》に生まれたに違いない。


 混雑する駅の改札を出て、尚も混雑する繁華街の駅前で、


「――あ」

 あたしは言葉を呑み込んだ。