「けど残念ながらそんなもん、運命でも何でもねえよ。別れはただの別れ。出会いもただの出会いだ。『運命』なんて言葉使う時は、大抵そういう強い願望がある時だろ」
「…………」
「運命なんてねぇんだよ。お前の彼氏が浮気したのは欲望とかそういう感情の類|たぐい》だ。それともお前の彼氏は浮気する運命だったのか?」
「そこは……運命じゃない……」
「都合のいい事ばっか運命にすんなっつーの。『運命』があるなら、全部が全部『運命』で、そうなりゃ『運命』なんて言葉に価値はねえ」
「…………」
「お前さ?」
「……うん?」
「そんなくだらねえ事考えてねえで、泣きたきゃ泣けばいいんじゃね?」
「え?」
一瞬――身震いした。
アスマの言葉にいつの間にか俯いてた顔を上げると、目の前の妖艶な悪魔が心なしか哀れんでるように思える目を向けてて、
「…………」
「運命なんてねぇんだよ。お前の彼氏が浮気したのは欲望とかそういう感情の類|たぐい》だ。それともお前の彼氏は浮気する運命だったのか?」
「そこは……運命じゃない……」
「都合のいい事ばっか運命にすんなっつーの。『運命』があるなら、全部が全部『運命』で、そうなりゃ『運命』なんて言葉に価値はねえ」
「…………」
「お前さ?」
「……うん?」
「そんなくだらねえ事考えてねえで、泣きたきゃ泣けばいいんじゃね?」
「え?」
一瞬――身震いした。
アスマの言葉にいつの間にか俯いてた顔を上げると、目の前の妖艶な悪魔が心なしか哀れんでるように思える目を向けてて、


