Devilの教え

 ゾッとした。


 寒気がした。


 暗闇に、ぬっと白い影が浮かび上がり、()ったような足音を響かせ、ノロノロとこちらにやって来るそれ(・・)に、あたしの体は凍りついた。


 数少ない照明灯に照らされたその姿を見て、何故か心底震え上がった。


 近付いてくる人影は、距離を縮めるにつれその輪郭(りんかく)をはっきりとさせる。


 白いブルゾンに身を包み、ジーンズに草履(ぞうり)姿のその男を、何故かあたしは「悪魔」だと思った。


 地獄の悪魔が人間に化けたらこんな感じになるんだろうとか、悪魔は黒い服ばっか着ると思ってたけど白い服も着るんだなんて、そんな事を考えていた。


「悪い。待たせた」

 近付き足を止めたその悪魔の、小さな低音が木霊(こだま)する。