Devilの教え

 時間にして多分十分から十五分。


 体感では一時間程。


 それくらいあたし達を待たせた相手がようやく姿を現したらしい。


「チッス! アスマさん」

「“アクマ”?」

 正面にいるスガ先輩が軽く手を挙げ言った言葉に、あたしは反応し振り返る。


「違う違う。ア、“ス”、マ」

 笑ってされるスガ先輩の否定の言葉は――もうあたしの脳にまでは届かなかった。


 視線の先にあるものに釘付けになる。


 (まばた)きを忘れ凝視し、呼吸さえ忘れ息を呑む。