「ねえ、アスマ。学校って何?」

 まるで独り言を言い続けてるような空間で、それでも言葉を止めなかったのは、アスマが聞いてるって分かってるから。


 少しだけ戻ってきた沈黙を、まず失くしたのは小さな溜息。


 そして。


「勉強するとこだ」

 お腹の奥に響くようなアスマの声。



――あたしは、学校じゃなくアスマから学びたいと思う。




 第五話 了