お寺の敷地内。 本堂って呼ばれる建物の離れに家がある。 家も充分大きいって思える代物だった。 その家の一階の一番奥の部屋。 勝手口から入ってすぐにある部屋が、アスマの部屋。 十帖ほどの洋室は、大きなベッドと本棚とローテーブルと小さい冷蔵庫。 フローリングの床には雑誌が散らばってて、庭に面した腰丈窓がある。 「跡を継ぐのは兄貴だ」 部屋に入ってすぐ、「アスマって将来お坊さんになるの?」って聞いたあたしに、アスマはベッドに腰掛けながらそう答えた。