それを見て、その髪に触れたいと思ったのは、ほんの一瞬だけだった。


「考え方が違うんだよ」

「うん?」

「男と女じゃ何に対してもこう……思考が違う」

「そうなの?」

「そうだ。としか言えねえ。これはもう経験して知るしかねえからいつか分かる」

「……分かった」

「だから、無理だ」

「分かんない」

「『友達』は『道具』だって言っただろ」

「うん」

「ただ、異性と同性は『道具』の用途が違ってくる。用途が違うと『友達』って枠組みからは微妙に外れる」

「用途?」