Devilの教え

 アスマの声の後ろに聞こえる、トーン、トーンっていう、夜のしじまに響く足音は、嫌に歩幅が広く、それだけで急いでる事はよく分かった。


 それでも――そんなに急いでても――通話してくれた。


 その上あたしの話を聞いてくれようとしてる。


 その事が、色んな感情が渦巻く今のあたしには凄く嬉しくて、アスマが怒ってなかったって事にホッと安心したら、何でか急に涙が出てきて、


『おい、聞いてんのか?』

 暫く続いた沈黙の時間に(ごう)()やしたアスマの問いに、「あ、あのね?」と出した声は涙声になっていた。


『何だよ、お前。泣いてんのかよ』

「こ、これは、ちがッ」

『泣いて電話してくんじゃねえよ、面倒臭え』

「ち、違う!」