Devilの教え

「同情してくれなくていいもん!」

 ()ねて言ったら「同情はしてねえ」って笑って即答された。


 途端にムスッとしたあたしを見て、スガ先輩は「おっ」と目を見開き、ちょっとだけ「しまった」って顔をする。


 それを見たから、あたしはここぞとばかりに「八つ当たり」に近い感覚で喚き始めた。


「もうマジムカつく! 大体、あたしと約束してる前日に女を家に呼ぶ!?」

「まあ、それは十人十色と言ってだな……」

 (せき)を切ったように喚き始めたあたしに、スガ先輩は(なだ)めるように言葉を掛けてくれる。


 その気遣いが心地の好いあたしは、ここでもやっぱりそれに甘えるように喚き続けた。


「罪悪感とかないの!? そういう気持ちって微塵(みじん)もないもんなの!?」

「まあ、それは男のサガというものでだな……」