Devilの教え

 口の両端をニッと上げ、明らかなる偽善的作り笑顔を浮かべたアスマは、背中の服を掴んでるあたしの手を握る。


 何事かとドキッとした拍子(ひょうし)に服を掴んでた手を離させられ、「あっ」と思った次の瞬間には、アスマはあたしの手を離した。


 上手く(ほど)かれた。……としか言いようがない。


 アスマはそこにいて歩き出そうとはしてないから、今更もう一回掴み直すのも何だか違う気がする。


 だから突然行き場のなくなった手を下ろして、


「はっきりって何?」

 そう問い掛けたあたしに、アスマは嘘くさい作り笑顔を絶やさず目を細めた。


「いいか。俺がお前の聞いてくるくだらねえ質問に答えるのは、お前が『巣穴』の奴だからだ」

「くだらなくないよ!」