Devilの教え

 悔しいとか惨めだって気持ちは、あたしだけが抱くものじゃない。


 当然の如く、あたしの目の前でバカにされた“元”彼氏も、そういう感情を抱いたらしい。


 でもその矛先を、先輩であるアスマに向けられない“元”彼氏は、ちょっとだけバカにしたような目でこっちを見ると、あたしとの距離を縮めてくる。


 思わず後ずさりしそうになったあたしの耳元に、“元”彼氏は二度と見たくないと思っていたその顔を近付け、


「スズ……気を付けろよ?」

 コソコソと負け惜しみを口にした。


「な、何を?」

「そりゃ今はアスマさんはスズに夢中になってるかもしれねえけど、それは今だけだ」

「はあ?」

「どうせすぐ飽きられるって言ってんだよ」

「はい!?」