Devilの教え

「は? スズ何言ってんだ?」

 信じられないって声出した“元”彼氏の事はどうでも良かった。


「付き合ってんの!」

 そう言いながらアスマは何も言わないでって願ってた。


「…………」

 あたしの祈りが通じたのか、ありがたい事にアスマは何も言わず、ただ黙ってあたしに腕を掴まれたまま、微動だにしなかった。


「バレンタインの次の日からなんだけどね!? 先輩に紹介されて付き合ったの! スガ先輩って覚えてる? あっ、知らないか! 紹介してないもんね!」

 アスマが黙ってるのをいい事に、聞かれてもない事をベラベラと話し始めたあたしは、さっきまで感じてた(みじ)めさとか悔しさを払拭(ふっしょく)しようと必死だった。


「スズ、お前何言ってんだよ?」

「あっ、信じられない? そうだよね! そうかもしれない! だってこんな格好いい人があたしを相手するなんてねえ?」