「母ちゃん逹、寝てるからな」
「分かってるってば」
「……下着、なんでつけてないんだよ?」
「だ、だってお風呂入った後だし……」
「それ、反則じゃね?」
俺ん家の風呂だから、同じ物を使った筈なのに、いちかの髪の毛も身体からも甘くていい匂いがする。
ギシッとベッドが軋む音が部屋に響く度に、このまま自分自身の欲求だけで、いちかを滅茶苦茶にしてやりそうになったけど。精一杯自分の理性と闘いながら、丁寧にイチカの身体に触れていく。
「ねぇ……、くすぐったいよ」
首筋から耳を這わして、そのままキスを落として身体中に口付ければ、我慢しているのか掠れて消えてしまいそうないちかの甘い声が漏れる。
「……琉の手、ひゃっこい」
「暖房、つける?」
「……や、このままで」
「ん?」
「琉の体温でいっ、いい……」
「……」
「あっためて」
そう言って いちかが手を伸ばすから、理性が吹っ飛びそうになる。



