「な、何やってんだよ、イトコだよ、イトコ!今ウチに遊び来てるだけ」
無理矢理いちかを反対の手引き離せば、コイツはつまらなそうに唇を尖らせながら口を開いた。
「彼女なーのーになぁー!」
「へー、そうなの?」
「だーから、違うって!」
「違くないしー!彼女だしー!!」
「仲いいんだね」
「コイツからかってるだけだから」
「琉ってば、照れなくてもいーじゃん!」
「そうなんだー、面白いねぇ」
こんな訳分かんないやり取りをしているのに、小柳さんふんわりと穏やかな笑顔を向けて。
「また来年ね!!良いお年をー」
「おー、学校でな」
なんて挨拶をする頃には、いちかが再び俺の腕にしがみついていた。



