「丁度いいから付き合ってよ」
「別に丁度よくねぇよ」
「いーじゃん!」
「……兄ちゃんは?」
「コタツで寝てるー」
まぁ、あれだけ飲んでちゃな。起きられらないのはしょうがねぇか。
半ば諦めて、クローゼットから自分の上着をテキトーに2つ取り出して、1つイチカに投げ渡した。
「コンビニで何買うんだよ?」
「えー、さっきスマホでスイーツ見ちゃって。甘いの食べたくなっちゃってさぁ」
そう口にする いちかは、デザートが載っているWebサイトが表示された自分のスマホを俺に見せてきた。
「まだ食うのかよ?」
「別腹って言うでしょ」
なんて当たり前の様に、言うけれど。
あれだけ鍋食ったのに、もー入らないーなんて言いながらも〆の雑炊まで食ってたのに。
こんな夜遅くにデザートですか。なんてつっこんだところで可愛い気の無い返事がかえってくるだけだから、何も文句は言わないでコイツについていく事にした。



