なんだかんだで、雑談をしていれば途中から父ちゃんも仕事から帰ってきた。


「おー、ユウ。おかえりー」

機嫌が良くなった父ちゃんは、大切に飲んでいた日本酒をあけはじめる。


「私、つぎましょうか」

「おー、いちかちゃん。ありがとう」

「いえいえー」

いちかは俺の父ちゃんにも気に入られていて、情けない事に父ちゃんはでれでれ。おい、自分の子供と1つしか変わらねぇんだぞ?と言ってやりたくなる。


「いちかちゃん美人になったねぇ」

「えー、またまたぁ」

セクハラか?父ちゃん……、そんな事を会社の飲み会がある度に若い女に口にしてたらセクハラになるからな。


「こんな可愛くちゃ男が放っとかないだろー」

「ちょっと、お父さん!!」

流石にうちの母ちゃんが止めに入ったけど、


「いちかちゃんはウチで貰うんだからー」

なんて続けられて。



「そうだなー!はっはっはー!!」

冗談なんだろうけど、なんだかよく分からない酔っ払い逹の笑い声がリビングに響き渡った。