「ユウ兄、帰ってきたんだー!LINEくれればいいのにー!」

コタツの入ったテーブルの真ん中には、鍋がグツグツと音をたてて煮込まれている。

遠慮なく俺のパーカーを羽織った いちかは、兄ちゃんの隣へと腰を下ろした。


「琉とどこ行ってきたんだよ?」

「スターツリーに行きたかったんだけどー」

「あーあそこ混んでただろ?」

「そう!混んでたからその下の水族館になったー!」

なんて いちなが唇を尖らせてブーブー言うものだから、あんなにペンギンで喜んでたくせに文句の1つでも言ってやりたくなる。


「水族館でも いちか喜んでたじゃねぇか」

「まぁ、可愛かったけどー」

「お前さー、ぶっさいくなペンギン嬉しそうに買ってたくせに」

「ぶさいくじゃないわよ!ぶさ可愛だって言ってるでしょー」


「まぁまぁ」

なんて、兄ちゃんが俺と いちかの言い争いの間に入る。