「おい、イチカ!何やってんだよ!」

いちかの腕を掴めば、コイツを取り囲む様に立っていた男達の視線が一気に俺に向けられる。
年上か同じ年か、正確には分からないが、ダサいナンパかただのキャッチだな。


「だってこいつ等しつこいんだもん!1人じゃないって言ってるのに!」

なんていちかが大きな声で叫ぶから、周りを歩いている奴等もチラチラと見はじめた。


「何か用?」

ギロリと男達を睨み付ければ、1番手前にいた男が面倒臭そうに溜め息をついて頭を振って後ろの2人に目を向けた。


「男連れかよ」

「早く言えよー」

なんてゾロゾロ退散していくけど、


「最初から言ってたじゃん!」

いちかはその男達の後ろ姿にまだくいかかるから、慌てて口を塞いでイチカを黙らせた。