生意気カノジョは素直になれない!!



「可愛いねー!」

なんて、いちか はペンギンの前に水槽の前にぴったりとくっついている。
当初の目的地には辿り着かなかったけど、すぐ近くに水族館があって本当に助かった。


「琉、ほら見て」

「んー?」

「あの歩き方、凄い左右に揺れすぎなんだけど!」

と言いながら、いちかが"あはは"と声を出して笑ってみせるものだから。
"可愛い"のか"馬鹿にしている"のか分からなくなるい。

そこを突っ込めば、「馬鹿な子ほど可愛いって言うでしょ!」と怒られて。
それってペンギンに失礼じゃね?そう思わずにはいられない。


でも、まぁ。人は多いけれど、水族館が癒される場所だというのはよく分かる。


「今度は、クラゲ見に行こうよー!」

そう口にする いちかは、子供の様にはしゃいでいて。昔はこんな感じで素直な可愛い奴だったなーなんて、小さな頃の いちかを思い出す。




そういや、いつから生意気になりはじめたんだっけ──?