残念ながら、今まで生きてきた中で少しで
ぶりっこじゃないと困るような出来事に遭遇した試しがないから、
男勝りな性格に余計に、歯車がかかってしまったようだった。
琴が通うのは、地元の公立学校である。
偏差値はそれほど高くない。
最近先生達は進学校という看板を大いに掲げ躍起になっているのは、なんとも見苦しい。
生徒は至って真面目、だとは言っても勉強への意欲は見られず、行事以外への覇気は全くもって感じられない。
(え、みんなそういうもんだよね?)
全生徒が該当するわけではないが、大体はこんな感じだ。
こんな田舎の中に出来た学校であるが、琴は気に入っていた。
学校終わりに行けるとしたら、ファーストフード店くらいで遊ぶところはないけれど。
*
家から自転車で20分。
8時30分から朝の会と呼ばれるホームルームが始まるため、8時25分に学校に着いていればいい。
家を出るのは大体8時だ。
逆算して7時30分に起きていれば間に合う。
最高かよ。こんな好条件な学校は普通にはないと思う。
そんなギリギリに起きるなんてやる気がない!!
と叱られてしまえばそれまでだが、違うのだ。
ただ、寝たい。
それだけ。
この時点で多少たりとも女子を捨てているような気がしないこともないが まあ気にしたやつが悪い。
安心して。
意外とこういう人って可愛い女子の中でも結構いると思う。
誰であっても三大欲求にはかなわない。
そういうことにして。
